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広告を「良い」とタグ付けするのはやめよう:実際に使えるクリエイティブ調査の分類体系を作る

「強いフック」や「プレミアム」は評価であって、タグではありません。観察した要素と推定した要素を分けた小さな分類体系を作れば、チームで広告を数え、絞り込み、次の四半期に比較できます。

編集 Ad8 編集デスク公開日
6つのタグ付け要素を並べたマトリクス。それぞれに、答える問い、値の例、観察か推定かを示し、「該当なし」と「不明」は常に選べること、「良い」「強い」「勝者」は要素にしないことを注記している。
手法の概要. インフォグラフィックを原寸大で開く

チームの3人に同じ広告のタグ付けを頼むと、「強いフック」「プレミアム」「スクロールを止める広告」と、それぞれ違う答えが返ってくるかもしれません。タグは3つ。でも、どのタグの意味も一致しておらず、次の四半期に数えたり、絞り込んだり、比較したりできるものは何もありません。形式上はフォルダーにタグが付いています。ただ、意思決定に役立つ検索はできません。

調査用の分類体系は、評価を説明に置き換えることで、この問題を解決します。このガイドでは、調査対象のMeta広告を分類するための小さな体系を午後のうちに作る方法を紹介します。すべてのタグが守るべきルール、最初に使える要素のセット、2段階のタグ付け手順、架空の広告3件を使った例、そして分類体系の妥当性を保つための運用習慣を取り上げます。

「良い」はタグではない

  • 説明ではなく、評価になる。 誰にとって、何に対して、どの指標で良いのでしょうか。広告を見ただけでは、その答えは分かりません。
  • 誤りだと示せない。 「魅力的」という評価について、誰かが間違っていると証明することはできません。異論を唱えられないタグからは、何も学べません。
  • 数えられない。 「強いフック:広告14件」と数えているのはチームの好みであって、広告そのものではありません。
  • 成果をこっそり持ち込む。 広告を「強い」や「勝っている」と呼ぶと、公開されている広告記録からは分からない成果を、暗に主張することになります。

調査用タグの5つのルール

  1. 評価せず、説明する。 タグは広告に何があるかを示し、良し悪しは示しません。
  2. 要素ごとに問いは1つ。 要素とは、「提示されているインセンティブは何か?」のように、1つの問いに答えるタグのまとまりです。
  3. 1つの要素の中で重複させない。 値同士が重ならないようにするか、複数選択式だと明示します。
  4. 「該当なし」と「不明」を必ず選べるようにする。 何もないことも情報です。空欄は情報ではありません。
  5. すべてのタグに「観察」か「推定」のラベルを付ける。 観察とは、根拠となる文言や画像上の要素を示せることです。推定とは、こちらの解釈です。観察だからといって客観的という意味ではありません。検証可能という意味です。

評価を装ったタグを見抜く

説明的に見えて、実はそうではないタグがあります。「洗練された」「大胆な」「プレミアム」「分かりやすい」「魅力的」「効果的」は、広告を説明しているように見せながら評価しています。簡単な見分け方があります。そのタグは、広告のパフォーマンス評価に使えますか? 使えるなら、それは評価です。代わりに、目で見て示せることを使いましょう。「無地の背景に商品が1点、見出しは上から3分の1の位置」とすれば、「洗練された」より多くを伝えられ、2人で確認できます。

最初に使える分類体系

まずは6つの要素で十分です。最初の4つは観察、最後の2つは推定です。

  • 形式: 静止画1枚、カルーセル、動画、その他。
  • 明示されたメッセージ: 商品の詳細、使用場面や機会、得られる結果、価値、ソーシャルプルーフ、比較、ブランドストーリー、該当なし、不明。
  • オファー(複数選択可): 該当なし、金額または割合の割引、セット販売、送料無料、購入特典、サブスクリプション、初回注文限定、期間限定、条件不明。
  • 提示されている根拠(複数選択可): 該当なし、顧客のコメント、評価またはレビュー件数、仕様または数値、実演、第三者への言及、返品または保証条件。
  • 最初に目に留まる要素(推定): 見出し、商品、人、オファー、根拠。
  • 解消する不安(推定): 品質、価値、自分に合うか、手間、信頼、明確な不安なし。クリエイティブの訴求軸調査のページでも、同様の不安のリストを使っています。

ここにないものに注目してください。「良い」「強い」「勝者」といった要素はありません。意図してそうしています。

2段階でタグ付けする

第1段階:観察する要素。 文言を読み、画像を見て、根拠を示せるものだけにタグを付けます。第2段階に進む前に、対象の広告すべてにこの作業を終えます。

第2段階:推定する要素。 タグごとに、「解消する不安:自分に合うか。見出しに『濡れた岩場向けに設計』とある」のような根拠を1行で書きます。根拠を書けない場合は「不明」とします。

段階を分けると、仮説が事実に紛れ込むのを防げます。広告は「品質についてのものだ」と決めつけると、実際には明示されていない品質の手がかりまで見つけた気になりがちです。

スプレッドシートを用意する

スプレッドシートで十分です。1レコードにつき1行とし、タグに必ず調査対象の情報が伴うよう、対象範囲の列を先頭に置きます。

レコード | ページ | 市場 | 確認日 | 形式 | メッセージ | オファー | 根拠
メモ | 最初に目に留まる要素(推定) | 解消する不安(推定) | 根拠の記述

誤字から新しいタグがひそかに生まれないよう、すべての要素にドロップダウンリストを設定します。どのリストにも「該当なし」と「不明」を入れてください。自由記述欄はメモ列だけにします。このメモが次の分類体系を作るための素材になります。

使用例:架空の広告3件

説明用の架空例:Demo Trailは架空のトレイルシューズブランドです。以下の3件の広告は、この記事のために作成したものです。

  • 広告1: 濡れた岩の上に置かれたシューズのアウトソールのクローズアップ。見出しは「濡れた岩場向けに設計」。小さく「5種類の路面でグリップをテスト」。ボタンは「今すぐ購入」。
  • 広告2: シューズ2足を並べた画像。見出しは「2足で1つの価格」。バッジは「25%お得」。
  • 広告3: 顧客のコメントを載せたカード。見出しは「ランナーが乗り換える理由」。引用は「これまで履いた中で最高のトレイルシューズ」。

忙しいチームなら、広告1に「強いフック、プレミアム」、広告2に「良いオファー、洗練された」、広告3に「魅力的、ソーシャルプルーフ」とタグを付けるかもしれません。同じ広告を要素ごとにタグ付けすると、次のようになります。

広告1  形式:静止画1枚 | メッセージ:商品の詳細
      オファー:該当なし | 根拠:仕様に関する主張、出典の表示なし
      最初に目に留まる要素(推定):商品 | 解消する不安(推定):自分に合うか
広告2  形式:静止画1枚 | メッセージ:価値
      オファー:セット販売、金額割引、条件不明 | 根拠:該当なし
      最初に目に留まる要素(推定):オファー | 解消する不安(推定):価値
広告3  形式:静止画1枚 | メッセージ:ソーシャルプルーフ
      オファー:該当なし | 根拠:顧客のコメント、出所を検証できない
      最初に目に留まる要素(推定):見出し | 解消する不安(推定):品質

これなら絞り込みができます。「セット販売があり、根拠の提示がない広告をすべて見せて」という問いには、後者のタグ付けなら答えられますが、前者では答えられません。広告3件なら些細なことです。5つのページから集めた広告60件なら、掘り下げる価値のある問いになります。ただし、答えられるのはあくまでそのサンプルの範囲内です。

分母と一緒に集計を報告する

タグは数えるためにあります。慎重にタグ付けしていても、集計で誤りやすいのがこの点です。必ず分母を示してください。各要素について「不明」の割合も併記しましょう。条件を明示していない広告があること自体、観察結果だからです。また、サンプルが比較可能でない限り、ページ同士を比較しないでください。

以下の数値は説明用に作成した架空のものです。 悪い例:「Page Aはセット販売が中心」。良い例:「ある市場で、特定の日付にPage Aから収集した静止画レコード31件のうち、12件にセット販売が見られた。その12件のうち5件は条件が表示されていなかった」。後者なら検証や翌月の再調査ができ、Page Aがそうする理由まで分かったふりをしません。12件が2つのアイデアのバリエーションだと分かったなら、アイデアの数は2つだということも併記してください。

タグのリストではなく、定義項目を書く

タグのリストだけでは、意見の違いが表面化しないまま残ります。定義項目を用意すれば、あらかじめ判断をそろえられます。

タグ:       オファー / セット販売
種別:       観察
定義:       複数の個数または商品が、明示された価格または割引とともに提示される。
該当例:     「2個で1個分の価格」「3個買うと25%お得」「全商品セット」
該当しない例:無関係なアクセサリーと並べて単品商品を表示している。
境界ルール: セットを見せているが、価格も割引も示されていない場合は、メッセージを「商品の詳細」、
             オファーを「該当なし」とする。

「該当しない例」と境界ルールには、書くだけの価値があります。タグ付けの議論の多くは、よく似ているが該当しないケースをめぐるものです。この2行に、判断を記録できます。

2人の判断が一致するか確認する

広告を10件選び、2人が第1段階を別々に実施します。結果を並べ、食い違いをすべて印します。どちらが正しいかを議論するのではなく、「辞書のどの文があれば食い違いを防げたか」を考え、その文を修正します。その後、10件に再度タグを付けます。2回修正しても食い違いが続く要素は、おそらく1度に2つの問いをしているので、分割してください。

運用を続ける

  • バージョンを付ける。 辞書にバージョン番号(v1.0など)と日付を付け、変更をすべて記録します。タグを分割すると、新旧の集計は比較できなくなり、トレンドの変化が市場ではなくルール変更を示す場合があります。
  • メモを活用する。 自由記述のメモ欄を設けます。同じメモが繰り返し出てきたら、タグに昇格させます。
  • 整理する。 似たタグは統合し、数回のレビューを通じて使われていないタグは廃止します。
  • 小さく保つ。 チームが要素を覚えられなければ、使ってもらえません。

AIの支援を使いながら、調査の筋を見失わない

AIアシスタントに辞書を一字一句そのまま渡し、広告ごとにタグ、観察か推定かのラベル、根拠となる引用文または画像上の要素の説明を返すよう依頼します。そのうえで、サンプルを自分たちのタグ付けと照合します。自動付与されたラベルも推定タグと同様に扱いましょう。整理には役立ちますが、意見の食い違いを決着させるには向いていません。Ad8のデータカバレッジページでは、独自のフック分類、ビジュアルスタイル、類似グループ分けはAIを支援に使ったラベルであり、誤っている可能性があること、重要な意思決定にはレコード単位の確認が望ましいことを説明しています。同じ姿勢は、どのツールにも、そして自分自身にも当てはまります。AIを使った調査プロンプトには、結論より先に根拠を求める表現例があります。

分類体系で分からないこと

どの広告が効果的かは分かりません。集計が説明するのはタグ付けしたサンプルであって、市場全体ではありません。サンプルに現れなかった値は、調査の欠落ではなく、問いです。数値には必ず対象範囲を添えてください。どのページ、どの市場、どの日付、そしてどのレコードが欠落または不完全だったかを示します。公開広告のタグ付けサンプルは、考えを整理し、テストの優先順位を決めるのに役立ちます。その先は、自分たちの結果に委ねてください。また、タグが説明するのは広告の作り方です。他の広告主の画像、コピー、商標を再利用する許可にはなりません。

出典と参考資料

Demo Trailの広告とサンプル集計は架空です。この分類体系はAd8の編集実務をもとにした出発点です。自社のカテゴリーや調査課題に合わせて、要素を調整してください。

次の気づきを、より良い問いに。

出典に紐づくレビューで、観察した事実、それが意味する可能性、自社のクリエイティブで試せることをどう切り分けるかをご覧ください。

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